女性博物館

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 女性博物館は1995年から一般公開されたのち、4年間のリフォームを経て2006年に現在の姿となりました。
フランス統治時代の名残を感じられる邸宅のような建物に、両脇には屋内とオープンカフェスペースがあり、ここでくつろぐこともできます。

現在この女性博物館はベトナム国内外から注目されていて、単なるベトナムで暮らす女性の生活や習慣を紹介した博物館にとどまらず、男女平等、女性の社会進出を訴える貴重な資料館の役割もあります。

定期的に特設ブースがおかれイベントも開催され、最大2万8千点の展示物が一般公開されます。
ハノイ旅行の鉄板となりつつある観光名所で、ベトナム戦争や政治関連博物館と異なり、比較的心に余裕を持って見学することができます。

アクアス

場所はリートゥンキエット(Ly Thuong Kiet)通りの一角。
ホアロー収容所も近くにあるほか、ホアンキエム湖南部から歩いて10分程度なので、徒歩圏内なのが魅力です。

ただし、通り自体はローカルエリアでこれといった特徴があるわけではないので、道に迷ってしまうのが若干の心配の種。
不安ならタクシーで行くのもいいでしょう。

ベトナム人と少数民族の女性博物館

 IMG_9833こちらの女性博物館は、主にベトナムで生きる女性の暮らしの様子、仕事の様子、生活習慣を紹介しています。
ベトナムで生きる女性というのは、つまりはベトナム人と少数民族の女性ということですね。

少数民族の女性のコーナーもあり、そこでは各民族の変わった生活習慣やしきたりなどを垣間見ることができます。

ベトナムは女性が強い社会と言われています。

農村地帯では男尊女卑がまだありますが、それでもいざというときに頼れるのは女性。
家族を守り、子供を育てるのも女性。
そして、仕事をしてお金を稼ぐのもときとして女性が多く活躍します。

ちなみに、近現代の話をすると、ベトナムでは日本のように専業主婦という女性はあまりいません。各家庭はお手伝いさんを雇って、彼女たちに子供の面倒や炊事家事をしてもらいます。

そして、奥さんも当然のように働きにでかけます。
もちろん共働きでないと家計が苦しいという理由が大きいですが、ベトナムの女性は独立心が強く、自分で仕事をしてお金を稼ぎたいと考えている人をよく見受けます。

少数民族の女性も然りで、このパネルに映る女性はみんなが働き者。
また小学生、中学生くらいの年齢の女の子も、しっかりと家の手伝いのため働いています。

冠婚葬祭

IMG_9906こちらは女性が着る冠婚葬祭の制服。

日本人も和式の結婚式をする際は着物を着るように、ベトナム人も結納のさいは伝統的な服を着ます。
アオザイではありません。

しかし、どれをみてもなんとなく中国の雰囲気が漂うのは、やはり1000年の間中国に支配され続けていたベトナムの歴史背景のためでしょう。
特にベトナムは紀元前から11世紀ころまでという長く、そして国の慣習を形成する重要な時代に支配されていましたので、どの習慣を見ても中国と似ています。

また、ベトナム人女性が着る象徴的ともいえるアオザイ。
こちらも中国のチャイナドレスが由来しています。

しかし、アオザイの場合は、のちにフランスの影響も受けています。もともとアオザイは国民服として政府が外出するときの制服として着用を義務付けていました。

そのせいでアオザイはどれもシンプルなものばかりでしたが、フランス統治下時代に突入したのち、フランス人の試案によって、アオザイはデザインが重要視され、さらに優美で自由さが増しました。

現在では有名デザイナーがアオザイのデザインを手掛けるほど自由かつ洗練されています。
現在では一部の高校のほか、行政施設の制服にもなっています。

ベトナム女性のが織る刺繍文化

IMG_9939刺繍は日本でもある文化ですが、ベトナムの刺繍は必ず女性がつくるという徹底ぶり。
元来ベトナムの女性は手先が器用な方が多く、現在でも仕事の傍ら刺繍の内職をしている店員などをよくみかけます。

ベトナムでは刺繍で作った絵画や服飾品があり、これらは観光客の土産物用だけではなく、お店の装飾品としてもよく利用されています。
刺繍自体はそれほど難しい作業ではありませんが、良質な刺繍は非常に緻密に縫われていて、ほつれることがありません。

また、日本では機械刺繍が主流になっていますが、ベトナムではすべてが手刺繍で作られるため、独特の手触り、立体感を感じることができます。ただし、日本人からみても、刺繍絵画はかなり値が張るもので、高級レストランなどに飾られている刺繍絵画は20万~50万円程度します。

日本人も見習うべきレディファースト

この博物館からも見てわかるように、ベトナムでは女性が強い立場を持っています。
そのせいか、ベトナムではレディファーストの習慣が根付いていて、日本人男性からするとちょっとわがままに映るかもしれません。

それもベトナム人女性が力強く歩んできたベトナムの歴史一部ということができます。

名称:女性博物館
住所:36 Ly Thuong Kiet St. Ha Noi

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