民族学博物館

IMG_2590かねてからお伝えしているように、ベトナムは大多数を占めるキン族と呼ばれるベトナム人のほか、53の少数民族が全国各地に暮らしています。

この53という数値はベトナム政府が公認している少数民族の数ですが、どこまでの支族を同じ民族とみなすのかなど議論の余地はあり、またいまだ未発見の隔離された少数民族の存在も否めません。

こちらの民族学博物館は、ベトナムで最も少数民族の展示品が多い博物館で、その数は1万5000点以上。パネル、模型、衣装、出土品、そして彼らの生活ぶりがわかるビデオまであります。

アクセス

民族学博物館は、これまで紹介してきた名所の中でも最も市内から離れています。
また、民族学博物館の周辺には歩きたくなる道や名所もないため、純粋にここに行くためにタクシーを往復することになりそうです。

民族学博物館は毎週月曜日が定休日なので、それだけは気を付けてくださいね。
タクシーだとおよそ15分~20分ほどで行くことができます。

バイクタクシーなら往復で10万ドン程度。
バイクタクシーの場合は待っていてもらい、タクシーは流しのタクシーを見つけることができるので待っていてもらう必要はありません。

53の少数民族がここに集結!

IMG_2605館内は近代的な内装で、少数民族の生活習慣をパネルで紹介したエリアが1階、上階は各少数民族の全国の分布図からはじまり、少数民族を一つ一つクローズアップして、模型や本物の衣装と一緒に紹介しています。

少数民族の中でも北部山岳高原地帯に暮らす民族は、ネイティブベトナミーズともいわれており、現在のベトナム人が住み着く以前からいたのではないかと言われています。

IMG_2638こちらが分布図。

緑がベトナム人で、それ以外に色分けされているのが各少数民族。

ご覧のとおり北部ハノイ以北が非常に細かな色分けがされいるのがわかります。
ハノイ以北は山岳高原地帯で、中国との国境付近にもさしかかります。

少数民族が多数暮らしているのがこのエリアで、ほとんどの民族は外界から隔離されて、異文化の入ってこない素朴な生活をおくっています。

しかし、中にはモン族、タイー族、チャム族のように自分たちの民芸品をベトナム人に売って生活水準を上げている民族もみられます。
しかしながら、その習慣は昔から変化はなく、ベトナム人の色に染まっていない生活をいまでもおくっています。

IMG_2632こちらは水上人形劇の人形。実際使われていたものとなります。

水上人形劇はもともと農村で嗜まれていた雨乞いを兼ねた大衆娯楽でした。時期に宮廷の貴族たちが鑑賞をする娯楽にまでなったと言われていますが、それ以上のことはよくわかっていません。

人形はマリオネットのように糸で四肢を動かすことができ、演者は代々この仕事を生業にしている血筋となります。
近年は後継者不足の問題もあるようですが、観光客にとっては、ベトナム旅行で欠かせないナイトスポットの一つに数えられています。

IMG_2620少数民族の冠婚葬祭も民族それぞれ色があります。
あの世でお金に困らないように、と偽物の紙幣や貴金属を遺体と一緒に燃やすところもあれば、成人の証として歯を抜くところもあります。

少数民族の多くは特定の宗教を持たず、すべての物に対して神が宿っているという、いわゆるアニミズムを信仰しています。
火には火の神がいて、台所には台所の神がいると、いったようにです。

ですので冠婚葬祭やしきたりなどは民族によって様変わりするのが普通です。

 魅惑の世界が広がる

 日本に住んでいると、少数民族にはまず出会いませんね。
自分たちと全く異なる習慣を身につけ、そして言葉すら違う民族が53も全国に点在している……日本人にとってはちょっと想像しがたいものがあります。

それこそがベトナムの魅力でもあります。
是非民族博物館に足を運んでみてください。

名称:民族博物館(Bao Tang Dan Toc Hoc Vietnam)
住所:Nguyen Van Huyen St. Hanoi

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