ホアロー収容所

IMG_9608ハノイ市街地に位置していて、カップルや外国人が行き交うホアンキエム湖南部にある観光スポット。

周辺の郷愁漂う風情ある町並みの中に暗い影を落としているこちらは、「ホアロー収容所」と呼ばれる、いわゆる監獄です。

近年は世界各国からも注目されていて、一種の幽霊スポットのようにもなっていますが、19世紀から20世紀と比較的最近まで現役で使われていた監獄なので、中を見学していると鳥肌が立つところもあります。

ベトナム人捕虜のための監獄

IMG_9631ホアロー収容所は、19世紀にフランス人が作ったベトナム人捕虜を収監しておくための収容所です。

抗仏戦争時には数千人のベトナム人が収容され、多くのベトナム人捕虜がここで息絶えました。
収容所内は博物館と改築されていますが、外観は当時のままです。

高さ3mはある塀はもちろん脱獄を許さないためのもの。
ベトナム人捕虜はここで想像しがたいほどの苦痛を味わったとされています。

IMG_9654こちらはよく見ると、人ひとりが這って通れる狭いトンネルがあります。

当時はあまりの非人間的懲罰に脱獄を試みるベトナム人もいました。
写真のこちらは、実際ベトナム人捕虜が堀った穴。まさにプリズンブレイクを現実でやってのけたようです。

多くの捕虜が息絶える

IMG_9616館内では当時の捕虜が来ていた囚人服や食器などが展示されています。
また、当時の時代背景を映した写真も展示。

ここでは多いときに数千人のベトナム人捕虜が収監されていました。
食事はオートミールのようなものと水を最低限しか与えられず、賞味期限が切れた腐ったものも食べなければなりませんでした。

栄養失調、過労、精神疲労などによって、多くの囚人が病気となったほか、感染症が広まったときは、月に数百人が死んだこともあったようです。
実際の記録は数少なく、どこまでが真実なのかは闇の中ですが、人として扱われていたなかったことは館内の展示物からみてとれます。

足枷をはめられた捕虜たち

IMG_9671捕虜はみんな写真のように足枷をはめられていました。

館内には模型によって再現されていて、その様子は鳥肌が立つほど。
アメリカCNNでは「東南アジアでもっとも怖い観光スポット」の1つにも選ばれたほど。

また館内奥には独居房があり、反抗した捕虜を懲罰として光の射さない密室の部屋に閉じこめていました。

はじめての人は訪れてほしい

ホアロー収容所はけっして楽しめる場所ではありません。
ただし、筆者としては、一度は訪れてほしい観光スポットの1つでもあります。

ベトナム=ベトナム戦争とくくりやすいですが、ベトナム戦争がはじまる前も、ベトナムはフランスによって苦しめられていました。
そして世界史を勉強した方ならば、そこに日本が関わっていることもご存じでしょう。

まったく無関係ではありませんので、是非一度フランス統治時代の産物に触れてみてください。

名称:ホアロー収容所(Nha Tu Hoa Lo)
住所:1 Hoa Lo St. Hanoi

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