ベトナム軍事歴史博物館

IMG_3060ハノイでベトナム戦争のことを学びたければ、ここへ来るといいでしょう。

タンロン城跡のすぐ近くに位置しているので、世界遺産を巡る前後に立ち寄ってください。
また、西側エリアにはホーチミン廟、ホーチミンの家、ホーチミン博物館などもありますので、ベトナム戦争が関わる歴史を学びたい方におすすめの観光エリアなります。

ベトナム軍事歴史博物館は、ベトナム戦争をメインとした、北ベトナム軍やアメリカ軍の遺した銃火器が展示されています。
ベトナム戦争中の貴重な写真もたくさんあるので、ベトナム戦争を知らない方でも興味引く内容となっています。

リアルなベトナム戦争がここに

IMG_3113敷地外にはミグ21型戦闘機や国旗掲揚塔があります。
ミグ21はソ連が開発した戦闘機で、ベトナム戦争をはじめ多くの戦場で利用されてきました。

館内は写真と遺物が双方展示されていて、だいたいの部分では英語による翻訳もあります。
ベトナム戦争は主要都市部で陸による戦争が展開され、軍人よりも民間人の方が死者数が多いことで、悲劇的な戦争といわれてきました。

世論的にはベトナムはアメリカを撃退したとされていますが、その被害は甚大で、現在でも後遺症などに苦しむ人々が多くいます。
ベトナム戦争当時は、日本を含む世界各国の戦争ジャーナリストが現地に赴き、逃げ惑う民間人や命を賭して戦う軍人の様子を写真におさめていました。

そのおかげもあり、ベトナム戦争当時の様子を収めた写真は、ほかの戦争と比べて非常に多く、二度とこの過ちは繰り返してはいけないという人々の戒めの役割を果たしています。

国宝に認定された戦車とは

IMG_3215こちらはT54B型戦車。

現在この戦車は、外のミグ戦闘機と一緒にベトナム政府が指定する国宝に認定されています。

この戦車は、「戦争を終わらせた戦車」といわれているもの。
1975年4月30日。
正午を回ったころに、南部ホーチミン(旧サイゴン)の大統領官邸(現統一会堂)にこの戦車が大挙して、フェンスを破り無血入城を果たしました。

北ベトナム軍の行進。
いわゆる「ホーチミン作戦」です。

このときすでに南部の主要エリアは北ベトナム軍が占拠し、タンソンニャット空港も手中に収めていました。
そして、戦車が入城を果たした幾何後、サイゴンは没落。

事実上のベトナム戦争の終結であり、南ベトナム(ベトナム共和国)という一つの国が終焉を迎える瞬間でもありました。

翌年1976年、南北統一選挙が開催されここで現在のベトナム社会主義共和国が作られました。

IMG_3148ちなみに、ベトナム人の心のよりどころとなっているホーチミン氏は、南北分断国家時代の北ベトナムの元首でした(一番偉い人)。

ベトナム戦争=ホーチミン氏が大活躍とイメージされている方も多いかと思いますが、実際ホーチミン氏はベトナム戦争中の1969年に亡くなっていますので、それほど目立った活躍をしたというわけではありません。

ただし、生前、ベトナム戦争中にはラジオ演説にて「独立と自由ほど尊いものはない」と市民を奮起させ、子供たちからは「ホーおじさん」と親しまれていました。

また、ホーチミンの影響力は現在でも衰えることはなく、ホーチミンが掲げたマルクス=レーニン主義による一党独裁制は現在でも支持されていて、この政治思想はホーチミン思想ともいわれています。

戦争関連博物館に来る前に

ベトナム戦争は1960年から1975年まで続いた長い戦争です。
また、比較的近代の話であり、中高年世代の方の多くは当時の様子をテレビなどで知っていることでしょう。

しかし、いまの若者の方は知らなく、歴史の一ページに封印されてしまっています。
ベトナム戦争関連の博物館にお越しになる方は、事前にベトナム戦争について少しでも学んでいくと、より知識を深めることができるでしょう。

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