ターヒエン通り

 ターヒエン(Ta Hien)通りは、ホアンキエム湖の噴水広場から北に歩くと見えてくるディンリエット(Dinh Liet)通りを直進します。

道中は左右にスパマッサージやお土産店、食堂などが並ぶ観光客にとってのメインストリートの一本。
そのディンリエット通りを真っ直ぐ進んで、ハンバック(Hang Bac)通りの交差点を超えたところからはじまります。

とはいっても、ターヒエン通りは距離にしてせいぜい80mほどの短い道。

古き家々が並ぶ

ターヒエン通りの日中はきわめて静か。通り沿いの家々はどこも飲食店を営んでいますが、日中はほとんどお客はいなくひっそりとしています。

ベトナム料理はもちろん、サンドウィッチやステーキといった西洋料理を出すお店もあります。
旅行客にとっては、昔の古き町の香りが漂う情緒ある雰囲気の一方、時代の発展の波に乗ろうとする店主の思惑が見え隠れする不思議な町並みにうつります。

正直いうと、日中はここを歩いていても何か面白い発見があるとは思えません。

しいて言うならば、昔ながらのハンコ屋があるくらい。

看板には日本語で「スタンプ」と書いてあるように、ここでは既製品だけではなく、オーダーメイドでハンコを作ることができます。

というのも、日本のように一家に二つ三つあるわけではありませんので、基本ハンコが必要なときは、すべてオーダーメイドで作るのがベトナムにおいては普通です。

ハンコのオーダーメイドは、まず自分で紙にイラストや手書きなどでデザインを描いて、それを職人に見せます。注意点としては、イラストを描くときは、必ず円形もしくは四角形、楕円形といった望みのハンコの『ふち部分』も描くことです。

これがなければ、「本当は四角いハンコが欲しかったのに、出来上がったのは丸いハンコだ……」といったことになってしまいます。

ハンコは午前中に申し込めば、夕方頃にはできあがっています。
午後に申し込んだら翌日になる可能性がありますので、滞在日程に余裕がない方は、午前中の早い段階で行くか、多少チップを多めにわたして早回ししてもらいましょう。

ハンコのオーダーメイドは自分用のお土産におすすめです。

ターヒエン通りは夜が本番

 ターヒエン通りの本番は夜からはじまります。

毎夜ターヒエン通り沿いにはご覧の通り多くのひとだかりが。
日中は閑散としていた通りで、店もほとんど閉まっていましたが、夜になると一斉に店がオープン。
ビールや肴などを売り出します。

ハノイ中心部にはナイトマーケットが同じく旧市街にありますが、こちらはウィークエンドマーケットのため、平日は開催していません。
しかし、ナイトマーケットおよび屋台好きのベトナム人のためにできあがったのが、ターヒエンの一大ナイトエリアです。

流行Ｂ級グルメの発信場所でもあり、ハノイの名物鶏肉にチーズを付けたthit ga pho maiなどが人気。

また、このターヒエン通りを拠点に店は周辺まで広がりをみせ、ナイトバーや深夜営業のレストランをいくつも見かけることができます。